中国の関税制度概要

関税体系

一般税率と最恵国待遇税率などが併存する複税制、アンチダンピング税、反補助税、特別関税、低税率品目、高税率品目。

品目分類

HS分類

『2015年関税実施案』によると、税関品目総数は、HSコード8桁分類で8,285品目(2015年1月1日より実施)。

関税の種類

従価税、従量税、複合税

中国の関税は、従価税、従量税および両者を併用する複合税がある。

1. 輸入関税
・従価税の課税基準は、輸入品の関税価格である。
輸入品関税税額=関税価格×関税率
関税価格は、取引価格をもとに税関に確定され、しかも輸入品が着岸するまでの輸送費、その他の費用、保険費を含む。
取引価格が確定できない場合、税関によって、同様商品の取引価格や類似商品の取引価格、国内販売価格からの差引、価格計算(コスト+利潤+費用+輸送費+保険費)またはその他の合理的方法に準じて確定される。

・従量税の課税基準は、重量・面積・長さ・容積・数量などである。
輸入品関税税額=単位ごとの税額×輸入数量
国務院関税税則委員会は毎年、従量税と複合税を適用する商品リストを公布する。最新のリストは、『2015年関税実施案』(2015年1月1日より実施)付表2「輸入商品の従量税と複合税の税率表」である。同リストの商品を除き、輸入商品の関税は従価税で課せられる。
中国の輸入関税は「最恵国税率」、「暫定税率」、「協定税率」、「特恵税率」、「普通税率」に分類される。

2. 輸出関税
現在、中国の輸出関税は主に従価税が取られる。
・従価税の課税基準は、輸出品の関税価格である。
輸出品関税税額=関税価格×関税率
関税価格は、取引価格をもとに税関に確定され、しかも輸出品が離岸するまでの中国国内の輸送費、その他の費用、保険費を含む。
取引価格が確定できない場合、税関によって、同様商品の取引価格や類似商品の取引価格、価格計算(コスト+利潤+費用+輸送費+保険費)またはその他の合理的方法に準じて確定される。

関税以外の諸税

輸入増値税、消費税、船舶トン税

税関が徴収する関税以外の税目として、輸入品にかかわる輸入増値税、消費税、船舶トン税がある。

I. 輸入増値税(1994年より実施)
1. 輸入増値税の税率
(1) 次に挙げる物品を輸入する場合、増値税率は13%:
・食糧、食用植物油、食用塩とその他の塩・純粋な塩化ナトリウム、水道の水、暖房、冷気、お湯、ガス、石油の液化ガス、天然ガス、メタンガス、生活用石炭製品
・図書、新聞、雑誌
・飼料、化学肥料、農薬、農機具、農業用プラスチック・フィルム
・生皮と生毛皮などの獣皮類の商品
・音像製品と電子出版物
・国務院が定めたその他の品物。
(2) 上記以外の輸入品の増値税率は、17%。

2. 輸入増値税の免除・減税
(1)下記項目は輸入の増値税を免除される。
・中国国内の農業生産者が販売する農業製品
・避妊薬品と用具
・中古図書
・科学研究、科学実験あるいは教育用の輸入メーター、機械
・外国政府、国際組織の無料援助輸入品、設備など
・外国が寄贈、返還した文物または取り戻した文物
・身体障害者団体が直接輸入し、かつ身体障害者専用の物品
・販売される自家用の中古品
・黄金と黄金鉱砂
・プラチナとその製品
・避妊リング
・鉛鉱砂とその精鉱(うち黄金の価値に当たる部分に限る)、ニッケル鉱砂・コバルト鉱砂・アンチモン鉱砂とそれらの精鉱(うち黄金の価値に当たる部分に限る)
・リン酸水素二アンモニウム
・関連規定により、増値税の仕入税額が控除できない、外国政府と国際金融機関のローンを利用したプロジェクトで輸入した自家用設備
・輸入粗銅に含有される黄金

(2) 一部輸入品の増値税率は減税される。
・無負荷重量が25トン以上の飛行機は、輸入増値税率が5%。リースの目的で輸入する同様な飛行機も輸入増値税率は5%。

3. 輸入増値税の計算
増値税の課税計算式:課税価格=関税価格+関税+消費税
増値税額=課税価格×適用税率

II. 消費税(1994年から実施)
『消費税暫定条例』(2009年1月1日より改正実施)に基づき、中国国内で生産、委託加工を行う会社と個人と、当該条例に規定される消費品を輸入する会社と個人、当該条例に規定される消費品を販売する会社と個人は、消費税の納入が義務付けられる。

1. 消費税の計算
消費税は従価税率、従量税率あるいは従価税率と従量税率の複合課税(以下複合課税と略称)方法で納税額を計算する。
(1) 従価税率での計算式:組成課税価格=(課税価格+徴収関税)/(1-消費税税率)
消費税額=組成課税価格×消費税税率
(2) 従量税率での計算式:消費税額=単位ごとの税額×輸入数量
(3) 複合課税での計算式:組成課税価格=(課税価格+徴収関税+輸入数量×単位ごとの税額)/(1-消費税税率)
消費税額=(組成課税価格×消費税税率)+(単位ごとの税額×輸入数量)

2. 消費税の課税品目
輸入消費税の課税品目は、酒、タバコ、ガソリン、ディーゼル、航空灯油(暫定的に課税猶予)、溶剤油、燃料油、潤滑油、ナフサ、化粧品(シッカロールを除く)、爆竹と花火、木製の床板、使い捨ての木製箸、高価なアクセサリー、宝石と真珠、乗用車、オートバイ(排気量250cc以上)、レジャーボート、高級腕時計、ゴルフ用品、電池(水銀なし電池、太陽光電池、燃料電池などを除く)、塗料(施工状態で揮発性有機物が420グラム/リットル以下のものを除く)など。

III. 船舶トン税(1952年から実施)
海外港から入国する船舶は『船舶トン税暫定条例』(2012年1月1日より実施)に基づき、船舶トン税が従量税で徴収される。
船舶トン税は優遇税率と普通税率に分かれる。船舶籍の国(地域)が中国と船舶税費最恵国待遇の条約や協定を締結した船舶は、優遇税率を適用される。その他の船舶は普通税率を適用される。
船舶が入国手続きをする際に、税関に納税を申告し、トン税ライセンスを受け取る。あるいはトン税ライセンスを提出し、検査を受ける。出国手続きをする際には、トン税ライセンスを提出し、検査を受ける必要がある。

1. 船舶トン税の計算
船舶トン税税額=純トン数×適用税率

2. 船舶トン税の免除
下記の条件が満たされる場合、トン税は免除される。
・税額が50元未満の船舶
・国外から購入、受贈、受継などの方式で船舶の所有権を取得し、海外から初めて輸入した負荷なしの船舶
・トン税ラインセンス満期後24時間以内に貨物・乗客の運行を停止した船舶
・非機動船舶(非機動はしけを除く)
・漁獲、養殖の漁船
・避難、防疫隔離、修理、運営中止、あるいは分解作業で貨物・乗客の運行を停止した船舶
・軍隊・武装警察部隊専用または徴用された船舶
・法定免税の外国駐中国大使館、国際機関駐中国代表機構とその関係者の船舶
・国務院に規定された他の船舶

管轄官庁

国家税務総局、税関総署、国務院関税税則委員会

1. 国家税務総局外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
関税を含む租税すべての立法、徴収管理の責任を負う中央官庁で、主な役割は、[1] 税金徴収管理の法律法規の起草、実施細則の策定、[2] 納税システムに対する管理、監督、[3] 税制管理情報化システムの整備、[4] 税制の国際交流と協力、など。
住所:北京市海淀区羊坊店西路5号、郵便番号:100038
Tel:(010)6341-7114

2. 税関総署外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
すべての物品輸出入業務を管理する官庁で、輸出入関税および他の税の徴収管理および保税業務の管理を行う。主な役割は、[1] 輸出入の管理、監督、[2] 関税徴収の管理、[3] 通関、保税の監督、など。
住所:北京市建国門内大街6号、郵便番号:100730
Tel:(010)6519-4114

3. 国務院関税税則委員会
国務院の総括調整機関で、具体的な業務は財政部が担当する。主な役割は、[1] 『輸出入税則』と『入国物品輸入税率表』の税目、税則コードと税率を調整・解釈すること、国務院に許可された上で実施すること、[2] 暫定税率を適用される貨物、税率と期限を決定すること、[3] 関税割当税率を決定すること、など。
住所:北京市西城区三里河南三巷3号、郵便番号:100820
Tel:(010)6855-1781

関税率問い合わせ先

税関総署関税徴管司

税関総署関税徴管司外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
住所:北京市建国門内大街6号、郵便番号:100730
Tel:(010)6519-4114
出版物:『輸出入税則』(各年版)(中国税関出版社)